今回は私がWebディレクターとして働く中で、「サイトのデザインってデザイナーじゃなくてディレクターがやってるんだな」と感じてた話をします。
え、どういうこと?って感じですよね。
結論を言うと、もちろんサイトのデザインをするのはデザイナーの仕事ですが、デザインコンセプトを決めるのはディレクターなんだという話です。デザインのコンセプトを決めるということは、どういうデザインにするか決めていることと同義なのです。デザイナーはコンセプトに沿って実際のデザインを施していくことが仕事です。
それでは詳しくお話ししていきましょう。
サイトのデザインを決めるのはディレクター!ディレクターって実はとてもクリエイティブ
Web制作会社でのサイト制作の流れとは
まずはWeb制作会社でサイト制作を依頼した場合の、サイト制作の流れを簡単に確認しましょう。
- ディレクターとクライアントでどのようなサイトにしていくか打ち合わせ
- クライアントの要望に合わせてディレクターがサイトのコンセプトを決め、構成とデザインの方向性を考える
- コンセプトに基づいてワイヤーフレーム(サイトの構成案)を作成
- ワイヤーフレームとディレクターのデザインの方向性を元にデザイナーがサイトデザインをする
- デザインを元にエンジニアがコーディングして完成
サイトの規模によってはもっともっと細かい工程がありますが、とりあえずはざっくりこのような流れになります。
この中でもサイト制作の肝となるのが②の「コンセプト決め」です。コンセプトでサイトの全てが決まると言っても過言ではありません。そしてコンセプトに基づいて構成とデザインのベースを考えるのはディレクターの仕事なのです。
デザイナーが登場するまでにディレクターが決めるデザインのベース
ではディレクターが考える「デザインのベース」とは何なのか、詳しくお話しします。
クライアントと制作開始時に決めること
サイト制作となった時、ディレクターはクライアントから、サイトを作ることでどのようにサイトを活用したいのか、しっかりヒアリングをします。例えば会社のブランディングのためなのか、それとも集客を目的にしているのか。目的によってサイトの見せ方(デザイン)は大きく変わります。そして目的を踏まえ、サイトのコンセプトを決めていきます。
会社をブランディングするサイトを作るとしましょう。会社の事業内容にもよるのですが、このような場合は大体は会社の雰囲気がわかる写真を大きく使い、きれい目のすっきりとしたデザインをする方向へ進みます。

次にサイトのメインカラーとベースカラーを決めます。会社のロゴに使われている色を使ったり、イメージカラーを持っている会社もあったりします。それでは例えばここでは、メインカラーを「ブルー」に、サイト全体は「白」をベースに作るとクライアントとディレクターが決めるとしましょう。
クライアントと決めた内容をもとにディレクターによる参考サイト探し
クライアントとディレクターが考えているデザインに相違がないように、重要となるのは「参考サイト探し」です。クライアントによっては「こんなサイトのデザインにしたい」と参考サイトを出してくれたりもしますが、あくまでもそれはただの要望にすぎません。そちらも参考にしつつ、クライアントの目的とサイトコンセプトに合わせた構成を作るための参考デザインを、プロの目線でディレクターが改めて探します。
そして参考サイトを探している時にどのようなデザインにしていくのか、ディレクターがベースを考えて決めていくのです。
引き続き例え話を引用すると、ブルーと白を使ったきれい目デザインのブランディングサイトを作るために、ディレクターは同じような配色のブランディングサイトをたくさん見漁っていき、コンセプトに合う構成のサイトを数個をピックアップします。
数個の参考サイトから、ディレクターがワイヤーフレームを作る

ここからディレクターによるワイヤーフレーム作成作業です。まだデザイナーは登場しませんが、ワイヤーフレームでデザインのベースが完全に固まります。
そして、ワイヤーフレーム作成後に初めてデザイナーが登場します。デザイナーはワイヤーフレームとディレクターが提示する参考サイト、クライアントの要望などをサイトデザインとして落とし込み作り上げていきます。
まとめ
長々とした説明となりましたが、つまり言いたかったことはこういうことです。
デザインを0から1にするのがディレクター、1になったデザインを10にするのがデザイナーという役割なのです。
ディレクターって制作現場の監督で、デザイナーに比べるとクリエイティブに欠ける…と思われているかもしれませんが、とんでもないです!ディレクターこそクリエイティブ作業です。なんせ、何もない0の状態を1にしなくてはならないのですから。私はディレクターとして働いて、こんなにもデザイン業務に携われるのかと感動すら覚えたものです(笑)
ディレクターが決めたベースがサイトのすべてに関わるので、ディレクターのデザインセンスもとても重要です。ディレクターを目指される方は、ぜひたくさんのサイトのデザインや構成に注目して目を養ってくださいね。
